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レニショー製エンコーダを組み込んだ Flora Digital プリンター

背景

人間の目の最大解像度はどれぐらいでしょうか。観察する距離、照明、目の調子など多くの要素の影響を受けるものの、一般的には、読み物をする際のごく普通の距離 (250mm) の場合で、350dpi または 73µm(1arc 分)が人間の健康な目の最大解像度です。印刷技術に飛躍的な進展が将来あっても、裸眼で認識できる範囲には物理的な限界があるため、400dpi を超える印刷解像度はたいていの場合判別がつきません。1000dpi を超える高解像度の大きなメリットは、CMYK ハーフトーンなどでの演色にあります。プリンターの解像度が上がるにつれ、プリンターの速度や処理能力が重要な差別化要因になってきています。

Flora Digital とは、業務用印刷業界向けの大判インクジェット技術に特化する Shenzhen Runtianzhi Digital Equipment Co. Ltd.(SRDEC 社)が展開するブランド名のことです。Flora Digital プリンターには、高価値部品を採用して最新の最先端の性能を発揮する紫外線 (UV) インクジェットプリンターなどがあります。開発当初から、Flora Digital プリンターにはレニショー製エンコーダ RGH41 が複数軸に実装されており、最高水準の印刷性能を実現しています。業務用プリンターは、プリントヘッド、各軸用のリニアモータとロータリーモータ、モーションコントロールシステム、および印刷基板から構成されます。

Flora Digital UV プリンターのプリントヘッドには、マイクロ圧電技術搭載の、従来的なドロップオンデマンド方式のインクジェットヘッドが採用されています。各プリントヘッドノズルの裏にあるインクタンク内のセラミック圧電部品の形状を変化させることで、ノズルに注入され、ノズルから吐出されるインクの量が、適切な電荷の付加を介して正確にコントロールされます。これにより、プリントヘッドから吐出されるインク液滴の大きさが広い範囲で正確に制御されるようになっています。このインク液滴の大きさの制御は高品質な色の印刷には不可欠な要素です。印刷基板にインクが付着した後は、UV 光で各層を順に乾燥および固着させます。

Flora Digital Xtra5000 プリンター

課題

プリンターの品質は、はっきりと目に見える形で現われます。性能が悪い場合一般的に、印刷したイメージ上のはっきりとした筋や、ステッチ誤差、さらには明らかに不自然な色として、反映されます。このような不具合の原因には、プリントヘッドの性能や、インクの品質、モータやモーションコントロールシステムの性能などが挙げられます。モーションコントロールの観点からは、エンコーダの精度が極めて重要です。仮にエンコーダの誤差(周期誤差など)が大きすぎる場合、位置決め精度に影響がでて、リニアモータの速度と安定性が低下します。また、エンコーダの誤差によって、モーショントラッキングエラーの度合いも増加し、その結果スムーズなプリントヘッドの動作が失われます。

Flora Digital インクジェットプリンター上の光学式エンコーダ RGH41

インクジェットプリントヘッドとサポートキャリッジが、プリンターのシステムにおいて最も重要な部品であることに間違いありません。また、トランスミッションやモーションコントローラなどの他の部品にも重要な役割があります。「プリンターの速度と処理能力は、プリントヘッドの最大吐出速度に大きく依存します。例えば、ハイエンドのインクジェットプリントヘッドなら 30kHz で動作します。吐出速度が速くなれば、印刷速度も速くなって全体的な処理能力も向上するため、明らかなメリットとなります。ただし、プリントヘッドの位置は吐出の応答に対応していなければなりません。これに対し、リニアモータとリニアモータとは別で開発したコントローラ用ハードウェアを採用し、315m2/hr の最高速度(2 PASS モードの場合)を実現しています。」(SRDEC 社の Project Director、Sunny Yu 氏)

このタイプの動的なアプリケーションには、応答性の高いリニアモータが不可欠です。確実にプリントヘッドがインクを適切な場所に適切なタイミングで吐出できるよう、モータは『コマンド』信号をコントローラから受信したらすぐに、高速かつ高加速度で応答する必要があります。高品質な印刷に要求される高い応答性を実現できるのは、リニアモータだけであり、機械的なトランスミッションでは不可能なのです。エンコーダの役割は、リニアモータの動きを正確に常にトラッキングすることにあります。

「印刷工場の環境はとても苛酷で、メンテナンスのために機械を止めると経済的なロスが毎回発生します。レニショー製エンコーダシステム RGH41 は優れた性能と速い軸速度を持ち、安心感をもたらしてくれます。

Shenzhen Runtianzhi Digital Equipment Co. 社.(中国)

解決策

業務用プリンターでは現状十分と言える 15m/s というその最高速度(エンコーダの分解能により変動)を理由に、レニショー製エンコーダシリーズ RGH41 が採用されました。

次のプログラムへ:「近年弊社は、最大印刷幅 5m の様々な大容量・大判フラットベッド UV インクジェットプリンターを開発しています。バイナリプリント(モノクロ)モードで最大 1200dpi の極力高い分解能のプリントヘッドを使っています。Flora Digital インクジェットプリンターのスキャン軸(プリンターの軸)にはフィードバック制御を実現するために、レニショー製リニアエンコーダシステム RGH41 とゴールドテープスケール RGS40-P を装着しています。今回のアプリケーションで採用したエンコーダ分解能は 1µm です。サーボ駆動の送り軸(Y 軸)もまた、印刷工程中の素材の処理と印刷基板の位置決めを制御します。」(Sunny Yu 氏)

RGH41 RGS ゴールドスケール

結果

レニショー製エンコーダシリーズ RGH41 のトータルの周期誤差は ±300nm 未満で、これはプリントヘッドのスムーズな速度制御を行うには十分な値です。「レニショー製品を使い続けておよそ 10 年経った今、RGH41 の性能は、信頼性の高いブランドに期待する通りの真に信頼性の高いものだと実感しています。ゴールドテープスケール RGS40-P は印刷産業向けに特殊設計されたもので、比較的掃除やメンテナンスがしやすいです。」(Sunny Yu 氏)

コストと耐久性の理由から、インクジェットプリンターにはオープンタイプのエンコーダシステムが採用されることが多いのですが(印刷業界の作業環境は比較的きれいなことが一般的なため)、エンコーダの設計にはほこりの微粒子やインクといった汚れを考慮する必要があります。レニショーの先進的な光学フィルタリング技術により、スケールの汚れが原因となって発生する非周期的な信号を除去し、高忠実度の出力信号を確保しています。スケールは最大 50m の長さで巻いた状態で注文可能で、そのため、エンジニアは軸に対して必要な分だけカットして使うことができます。

「印刷工場の環境はとても苛酷で、メンテナンスのために機械を止めると経済的なロスが毎回発生します。レニショー製エンコーダシステム RGH41 は優れた性能と速い軸速度を持ち、安心感をもたらしてくれます。実際、顧客からは、印刷作業中にスケールに汚れがついてもエンコーダの性能が影響を受けないと聞いています。エンジニアもまた簡単な取付方法とセットアップ方法について、特に 5m 幅のプリンターにスケールを取り付けるときに、高く評価しています。

RGH41 は、その速度と費用対効果から業務用プリンターにうってつけです。最近では、Flora Digital はグローバル市場で一定のシェアを持つ印刷ブランドに成長し、また、RGH41 だけでなく磁気式エンコーダ LM10 を使うレニショーのお客様でもあります。

SRDEC 社について

SRDEC 社は、2015 年中国の深セン証券取引所に上場した、広告業界向けの業務用インクジェットプリンター市場をリードする企業で、展開する製品には、捺染印刷機、フラットベッド UV プリンター、セラミックタイルインクジェット機などがあります。全生産の半数以上が 100 を超える世界中の国や地域に輸出されています。また、SRDEC 社は ISO9001:2000 の認証を受けており、Printing and Printing Equipment Industries Association of China(PEIAC:中国印刷および印刷機工業協会)の一員です。

詳細については、www.renishaw.jp/rg4 をご覧ください。

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  • ケーススタディ:  レニショー製エンコーダを組み込んだ Flora Digital プリンター