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既存の手法を超えるレーザーアライメント システム

XK10 アライメントレーザーシステムを導入した Smooth Precision 社。既存の方式で抱えていた課題を解決し、機械のアライメント精度と効率を大幅に向上した。

背景

ダイヤルゲージ、直角定規、オートコリメータといった従来型の計測ツールについて、精度、効率そして使い勝手という点で満足している機械メーカーは多くない。特に専用装置を少量生産するメーカーの多くは、費用対効果が低いと考えている。

そのため、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ、光起電力技術機器など最新の産業機器のメーカーはレーザーによる計測を活用している。

Smooth Precision 社は台湾の Taichung に拠点を構える専用機器メーカーである。2009 年に設立され、接着剤塗布機、スマートフォンや自動化機器用の圧力テスト機などに使う装置を手掛けており、現在では、スマートモバイル機器のサプライチェーンの一角を占め、マーケットリーダーを相手にビジネスを展開している。

Smooth Precision 社の専用装置生産ライン

Smooth Precision 社の専用装置生産ライン

課題

Smooth Precision 社は機械のキャリブレーションと計測に従来型のツールを使用していたが、オーダーが増え、また顧客からの要求も高まるにつれ、ニーズに応えるのが難しくなっていた。

従来型のツールにはさまざまな問題がつきまとう。例えば直角定規は大きくて重い。大型機を計測する際も使い勝手がよくなく、コンパクトな機械に至ってはスペースがなく使うことができない。また機械が損傷したり、取扱いに際しオペレータがけがしたりするリスクもある。保管のために広いスペースが必要になるという問題もある。他にもダイヤルゲージの場合なら、レール間の平行度を測ると、作業者によって計測結果がばらついてしまい、再現性が確保できないといった課題がある。

従来型のツールは作業者のスキルや経験によって検査結果がばらつく可能性がある。メーカーと顧客が互いに信頼を築くうえでレポートが重要な役割を果たすが、手書きで作っていては無くなったり痛んでしまうリスクがある。Smooth Precision 社は品質管理に多大なリソースを割いており、大型機の検査とアセンブリのプロセスを向上するために、新たなテクノロジーの導入に踏み切った。

XK10 アライメントレーザーシステムを使った高精度リニアステージの検証作業の様子

XK10 アライメントレーザーシステムを使った高精度リニアステージの検証作業の様子

解決策

Smooth Precision 社が購入を決めたのがレニショーの XK10 アライメントレーザーシステムである。工作機械の直線軸と回転軸の幾何誤差を計測するシステムである。機械の製造時やメンテナンス時、修理時に直線軸や回転軸の幾何誤差を計測することで、機械軸のアライメントと調整を正確に行えるようになり、機械の最適なパフォーマンスにつながる。アセンブリの時間や、定期メンテナンスや衝突後の修理など現場での修理作業の時短にも効果が見込める。

「ガイドレールの真直度を測るとき、また機械の平面度を測るときに簡単にセットアップできる、それが XK10 購入の決め手です」とは、Smooth Precision 社で General Manager を務める Zhang Qiuming 氏の言葉だ。「機器を追加しなくても直角度を測れますし、高精度機でも設置スペースに問題がありません」

「当社の強みはハードウェアの研究と開発にあります。その強みを武器に、お客様の真のニーズに合うオーダーメイド装置を開発し、設計から量産までの総合的なサービスを提供しているのです」(Zhang 氏)

「XK10 ならさまざまなサイズや構成の工作機械に対応できます。ヘッド部分が回転するので簡単にレーザーの照射方向を変えることができますし、グリッド状に計測点をとることで平面度を計測することもできます。また、直感的なソフトウェアを使って、取付けや計測を簡単に行えます。自動解析機能により、計測後すぐに結果をリアルタイム表示できるため、その場で調整も可能です」(Zhang 氏)

組み上げた装置の全体的な精度と安定性を高めるために、XK10 を購入しました。お客様から信頼を、そしてオーダーを得続けるために、高性能かつ高精度なアライメントツールを使う必要があるのです。

Smooth Precision 社 (台湾)

A laser alignment tool that goes  beyond tradition

タブレットを使って XK10 のアライメント作業を行う Smooth Precision 社のエンジニア

計測値はタブレットの表示されるため、値を見ながらの調整作業が可能

計測値はタブレットの表示されるため、値を見ながらの調整作業が可能

結果

なお同社は現在、同社が製造する高性能装置にレニショーの光学式エンコーダ RESOLUTE™、ATOM™、QUANTiC™、TONiC™ を採用している。

「レニショーさんは業界で高い評価を得たエンコーダを幅広く展開しています。装置の設計がうまく進みますし、お客様へのアピールにもなります。今後、高精度ステージや専用装置の市場では競争が激化すると見込んでいますが、当社としてはお客様のニーズに応えるために、ラインナップを拡充していく予定です」(Zhang 氏)

現在 Smooth Precision 社では、XK10 が幅広い機械の計測に活用されている。XK10 はフィクスチャキットを使うことでセットアップが容易に行える。事実 Smooth Precision 社によると、セットアップから検査開始にかかる所要時間はおよそ 30~40 分とのことだ。

Zhang 氏は以下のようにも述べる。「精度とセットアップの難易度という点で、レーザー計測が従来型ツールより優れていることは疑う余地がありません。大型機の検証やアセンブリで XK10 を使う必要があります。高精度が求められる機械や精密な組立てプロセスが求められる機械には特に、です」

イメージング

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