ベンチレータチャレンジ UK コンソーシアム、国民保険サービスに 13,000 台を超える人工呼吸器を納入
2020 年 7 月 31 日
ベンチレータチャレンジ UK コンソーシアムは、13,437 台の人工呼吸器を国民保険サービスに納入し、その役目を終えました。
7 月 5 日 (日)、航空、モータスポーツ、自動車、そして医療分野の企業が結成したベンチレータチャレンジ UK コンソーシアム (レニショーも創設メンバーとして参加) が、国民保険サービスの在庫を倍以上に拡大した後、解散に至りました。
ベンチレータチャレンジ UK コンソーシアムは、新型コロナ感染症の患者数の増加予測を受け、3 月 19 日に結成された企業連合体です。昨今のコロナ禍の中、Penlon 社製人工呼吸器 ESO 2 と Smiths 社製人工呼吸器 paraPAC™ plus を国民保険サービスに届けるべく、確固たる決意と熱量を持って活動を展開しました。以下のような実績を残しました
- Penlon 社製 ESO2 と Smiths 社製 paraPAC plus の生産量拡大。いずれも、ウイルス研究の進展に伴い効果が立証されている呼吸器です。
- 大規模生産施設を 7 箇所に新設 (Broughton (AMRC 社)、Dagenham (Ford 社)、Luton および Cowes (GKN Aerospace 社)、Woking (McLaren 社)、Filton (Rolls-Royce 社)、Hook (STI 社)。また、Luton の Smiths 社施設と Abingdon 社施設を改修。
- 1 日あたりの最大生産台数 400 台以上を達成。最短 3 日で 1,000 台を生産。
- 複数パターンのサプライチェーンを新規構築し、約 4,200 万個のパーツや電子部品を、入り組んだ物流ネットワークを通じて調達 (ネットワークは、DHL 社がわずか 1.5 週間で立案および稼働開始)。
- 世界各地で見られたパーツ争奪戦やロックダウンの最中、22 か国以上からパーツを調達。最長で、1 個のパーツを 5,226 マイル運んだ例も。
- Penlon 社製 ESO 2 にわずか 3 週間で MHRA (英国医薬品庁) の承認を取得。英国政府の COVID-19 対策として当局許可を得た初の人工呼吸器となり、CE マーク認証により国際的にも品質を保証。
- 3,500 名の雇用を創出し、ソーシャルディスタンスを確保したうえで現場組立てチームを構成。納入のスピード、患者の安全確保のために不可欠な各規制基準への絶対順守、を両立。
ベンチレータチャレンジ UK コンソーシアムによる最終出荷を 7 月 5 日 (日) に終えたのち、参画企業各社は通常の生産体制に戻っていきました。
Dick Elsy 氏 (ベンチレータチャレンジ UK コンソーシアムの会長、High Value Manufacturing Catapult 社 CEO) のコメント
「ベンチレータチャレンジ UK コンソーシアムが 12 週間のうちに成しえたことは、とてつもないことに他なりません。製品の承認を取得して生産に移行し、今回の規模のような生産施設を立ち上げるのは、通常なら数年かかってしまうような事業です。国からのこの要望に応じた各企業が、エネルギーと決断力、創造力を見せました。本当に誇りに思います。
国民保険サービスが必要数の人工呼吸器を確保するための、手助けになれました。また、将来的に英国国内で人工呼吸器が必要になった場合にも対応できるほどの、在庫の構築に貢献できたことに我々全員が喜んでいます。
異なるセクタの英国を代表する企業からなる今回のコンソーシアムは、英国の製造業の強さをまさに示しました。人工呼吸器の納入だけで終わらず、学んだ教訓を製造業界内、そして政府とも、この COVID-19 のパンデミックが過ぎ去った後に英国の産業界が立ち直るための重要な要素として共有していきます」
Michael Gove 氏 (英国政府の Chancellor of the Duchy of Lancaster) のコメント
「ベンチレータチャレンジは大成功で終わりました。参画した各企業、そして各企業の素晴らしい従業員のみなさんには、国民保険サービスと命を守るための国家プロジェクトにおいて大変重要な役割を果たしていただき、感謝しています。およそ 3 か月で、今現在危機に瀕した命を救うため、そして将来のアウトブレイクの備えとして 14,000 台の呼吸器が新たに製造されました。
ベンチレータチャレンジは、英国の製造業が国の求めに応じて困難に必ず立ち向かう、ということを示してくれました。かかわった全員がこのコロナ禍におけるヒーローです」
レニショーの貢献
レニショーはコンソーシアムの創設から携わり、Penlon 社製と Smiths 社製の両方に使われるコンポーネントの製造にあたりました。6 週間以上の間、Stonehouse と Miskin の拠点が 24 時間毎日休みなく稼働し、製造したパーツは 115,000 個、使用した CNC 工作機械は 30 台、従事した社員は 350 名にのぼります。この間消費した金属棒の長さは 5km (サッカー場 50 面の長さに相当)、重さは 25t (アフリカ象 5 頭に相当) に及びます。
レニショーの Chief Executive、William Lee はこのように述べています。「国家的な危機の中、国民保険サービスを助けるための取組みで、レニショーが果たした役割を誇りに思います。また、多種多様な製造業各社が協力し、多くの人にできないと思われていたことを達成できたことも、誇りに思います。
今回のプロジェクトで、製造業が経済を支えるセクタであることと、戦略上国家の重要なものとして支援を将来受けるべきであるということが浮かび上がりました」
コンソーシアム参画企業:
Accenture 社、Airbus 社、AMRC Cymru 社、Arrow 社、DHL 社、Ford 社、GKN Aerospace 社、Haas F1 社、HVM Catapult 社、Inspiration Healthcare 社、McLaren 社、Mercedes-AMG F1 社、Meggitt 社、Microsoft 社、Newton 社、Penlon 社、PTC 社、Racing Point 社、Renault Sport Racing 社、レニショー、Rolls-Royce 社、Siemens UK & Siemens Healthineers 社、Smiths Medical 社、STFC Harwell 社、STI 社、Thales 社、Unilever 社、Williams Advanced Engineering 社、Williams F1 社
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