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装置起動時の原点復帰無しでも、信頼性の高い位置決めにより

レニショーの RESOLUTE エンコーダは、マイクロエレクトロニクスやマイクロ光学産業に使用される高精度組み立てシステムに求められる最大の工程信頼性を保証する革新的な真のアブソリュート測定システムです。

小型のエレクトロニクス部品や光学コンポーネントを製造する高価なマイクロアセンブリーマシンを経済的に運用するためには、工程の信頼性が最も重要な要因の一つです。Amicra Mikrotechnologie GmbH では、特にオペレーターが注意してモニタリングしなくても、マイクロアセンブリーセルを短時間で起動できるようにするための、レニショーの将来志向のアブソリュート測定システム、RESOLUTE により大幅な改善を達成しました。この点は、自動車セクター、通信、IT 産業のマイクロエレクトロニクスやマイクロ光学アプリケーションで特に重要になります。

アクティブ / パッシブ半導体、レンズ、MEM、プロセッサなどの接着または取り付け対象のコンポーネントは、位置決め軸とフィードステーションの特殊なグリッパーを使用してピックアップします。その後、コンポーネントを基板やウェハー上に配置し、接着剤での接着か従来式の半田付け、またはレーザービームによる半田付けを行います。ウェハー上への表面取り付けおよびスタックダイテクノロジーでは、取り付けと製造技術に特別な要求があります。スタックダイテクノロジーは、三次元のメモリやコンピューター構造を構築するために使用されています。半導体は、水平に並べて取り付けて接続するだけでなく(SoC)、縦に重ねて実装する(TSV)こともあります。取り付け密度を上げることで、更なる小型化が可能になります。

ドイツ、レーゲンスブルクにある Amicra Mikrotechnologie では、この目的のために設計されたマイクロアセンブリーセルの設計と製造を行っています。これらの機械は、非常に高い精度と信頼性で特に知られており、モデルによっては、±0.5µm の精度でマイクロコンポーネントを取り付け、1.66 の工程能力(Cpk)を達成することができます。

Amicra の NovaPlus シリーズは最大の生産性を実現するために設計されており、多くの水平/垂直位置決め軸を使用しているため、非生産的なダウンタイムをほとんど発生させることなく、ウェハーの表面取り付けを行うことができます。コンポーネントを配置中は、2 番目の処理ユニットがバッファーストアから次のコンポーネントをピックアップします。これと同時に、作業テーブルと他の位置決め軸がレーザーや UV ランプと共に、半田付けや接着工程に必要な位置に移動します。また、その他の軸が統合された工程モニタリングカメラを配置します。

衝突の可能性を完全に排除

Amicra の代表取締役、Horst Lapsien 氏は、Resoluteアブソリュートエンコーダを採用することで、そのシステムの工程における高い信頼性によって、経済面での非常に高い貢献度があることを実感しています。各位置決めグリッパーと位置決め軸の衝突は、絶対に避ける必要があります。

「非常に精密なモーション制御プログラミングにより、衝突を回避しています。」と、Horst Lapsien 氏は説明します。「さらに、位置決め軸の測定システムは、高精度で確実にスライドの現在の位置を検出する必要があります。」この点については、以前に使用していたインクリメンタル測定システムでは、ある程度の成果しか得られませんでした。「以前は、すべての位置決め軸のリードヘッドを最初に基準位置に移動させる必要があったため、停止後の製造と取り付けサイクルの再起動に非常に時間がかかりました。それでも、制御システムが軸の実際の位置を検出できるようにするには、、この方法しか無かったので、不必要に長い時間がかかりました。」と、Horst Lapsien 氏は付け加えています。

さらに、スライドの未定義の位置を基準位置として起動した場合には、深刻な誤差の原因になりました。オペレーターが最初に衝突経路を分析せずに、基準移動サイクルを選択すると、グリッパーが衝突したり、時にはガントリーが衝突して、システムに深刻な損傷がおよぶ可能性があります。衝突が発生した場合には、Horst Lapsien 氏が指摘したように、機械全体で不必要に長い非生産的時間とコストに加え、非経済的なダウンタイムが発生します。

Amicra Nova

原点復帰を行うことなく、絶対測定を実施

Amicra のメカトロニクスエンジニアは、レニショーの RESOLUTE アブソリュートエンコーダを使用することで機械を大幅に改善することができました。Horst Lapsien 氏によると、これらの測定システムの主な利点は、スイッチを入れた直後から、原点復帰を行わなくても絶対位置を検出できることです。その結果、マイクロアセンブリーセルでは、オペレーターが注意してモニタリングしなくても、停止後や初回起動時に短時間で自動サイクルを起動することができます。これにより工程信頼性も向上し、非生産的な時間を短縮して、多額の損失がつきまとう衝突を回避することができます。

ドイツレニショーのテクニカルセールス、Thomas Renner は、絶対測定システムの利点について更に次のように説明しています。「以前の絶対測定システムと比べて、RESOLUTE は、絶対位置と組み込み位相情報を 1 つのコードに組み合わせシングルトラックスケールを使用しています。つまり、RESOLUTE はセットアップ公差が非常に大きく、短時間で簡単に取り付けられるだけでなく、経時変化に対しても長期的に高い信頼性で作動を続けます。」RESOLUTE リードヘッドには、簡単に取り付けと起動を行うための独自のセットアップ LED が搭載されており、スケールを正しく読み取っているかどうかを簡単に目視確認することができます。

RTLA アブソリュートスケールは、機材に直接接着するか、特殊な FASTRACK™ ガイドに挿入して使用することができます。スケールとガイドはいずれもステンレススチール製です。このため、Amicra の機械内に簡単にコンパクトに取り付けて、±5µm/m の精度を達成できます。この頑丈なステンレススチール製テープスケールは損傷しにくく、必要があれば、FASTRACK ガイドによりいつでも簡単にスケールを交換できます。

RESOLUTE エンコーダは、超高速デジタルカメラのような独自の位置検出方法を採用しており、スケールの超高解像度イメージを撮影します。その後、強力なデジタル信号プロセッサ(DSP)により、クロスチェックとエラーリジェクトアルゴリズムを適用することでこれらのイメージを解析して、1nm の精度で位置を判定します。さらに、エンコーダに内蔵されたポジションチェックアルゴリズムを組み合わせることで、汚れに対する高い耐久性を確保しています。Horst Lapsien 氏もいうように、エンコーダを 3 シフト製造工程に導入して以来、汚れたテープスケールによる測定システムの読み取り誤差が原因となった機械停止件数はゼロに抑えられています。

さらに、RESOLUTE アブソリュートエンコーダは、高度な検出技術により、わずか ±40nm の周期誤差、10nm RMS 未満のジッタと、さらに優れた精度を確立しています。その結果、ノイズレベルが極めて低い優れた位置決めの安定性が得られます。従って、このような装備のマイクロアセンブリーセルが、より優れた信頼性とパフォーマンスを発揮するようになっています。

Amicra にとって RESOLUTE アブソリュートエンコーダは、BiSS-C® オープンシリアルプロトコルというもう一つの重要な利点を備えています。これにより、多くの位置決め軸に簡単に統合することができます。Horst Lapsien 氏が説明するように、業界標準の多くのサーボドライブとコントローラには、このインターフェースが搭載されるようになっています。従って、Amicra では、一社のモーションシステムコンポーネントサプライヤーに縛り付けられることがありません。

光学式エンコーダの概要

RESOLUTE は、リニアとロータリーアプリケーション向けの画期的なアブソリュートエンコーダシステムで、最高 100 m/s(36,000 rpm)の速度での 1nm の分解能に加え、大きなセットアップ公差と汚れに対する高い耐久性を備えています。FANUC、Mitsubishi、Panasonic を含む様々なシリアルプロトコルに対応しているため、電子回路組立、フラットパネルディスプレイ製造、ソーラー PV 製造、半導体処理、工作機械、高精度モーションコントロールなどの様々なアプリケーションに使用できます。

レニショーのすべてのエンコーダ製品と同様に、RESOLUTE は総合的な保証と世界的なサポートネットワークによりバックアップされています。RESOLUTE は、ISO9001 認証を受けた品質システムの下で製造されており、RoHS/WEEE に準拠しています。

BiSS® は iC-Haus の登録商標です。

RESOLUTE in Amicra application