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ラマンイメージとは

ラマンイメージ (別名「マップ」) は、サンプルの表面または内部の各ポイントから得られたスペクトル情報の変化を描画したものです。これらは、一次元プロファイル、二次元イメージ、三次元ボリュームレンダンリングの形状で表すことができます。これにより、位置に応じてラマンパラメータがどのように変化するのかを短時間で確認できます。

パラメータとしては、特定のラマンバンドの強度のようなシンプルなものから、ラマンスペクトル全体の複雑な分析から導出されたものまで、さまざまなものがあります。

スペクトルデータを収集してこれらのイメージを生成する手法には、ラマンマッピングとラマンイメージングという主に 2 種類の方法があります。

ラマンマッピング

ラマンマッピングは、単純な強度のイメージではなく、スペクトルハイパーキューブ (サンプルの各位置からのラマンスペクトルを 1 ファイルにまとめたもの) を収集します。このハイパーキューブを分析してラマンイメージを生成します。

ラマンマッピングには、次のようにいくつかの方法があります。

  • ポイントマッピング
    レーザーのフォーカスを 1 点に合わせます。モータ駆動式ステージによりレーザー照射下でサンプルを移動します。定義した測定対象領域をカバーするサンプルポイントの配列から、スペクトルが順次取得されます。この高速バージョンが、レニショーの StreamHR™ と StreamHR Rapide です。
  • ラインフォーカスマッピング
    ポイントマッピングと似ていますが、レーザーをサンプル上の 1 点ではなく、ライン状に照射します。これによりサンプル上の複数の点からスペクトルを同時収集して、時間を短縮できます。この方法では、サンプルを損傷することなく、より高いレーザーパワーを使用できます (照射時間を短縮)。レニショーの StreamLine™ は、このコンセプトを採用した洗練された最先端の機能です。

マッピングを行う際には、望ましくないアンダーサンプリングの影響を考慮することが重要になります。これはポイントマッピングを行う場合に最も明確になり、レーザースポットが取得ポイント間の間隔よりも小さい場合に、サンプル上で測定されない箇所が発生することになります。レニショーは、StreamLine™ Slalom モードにより、この問題を解決しています。

マッピングデータからのラマンイメージの生成

マッピング実験からすべてのラマンスペクトルを 1 回収集すれば、スペクトルを分析して、プロファイル、イメージ、ボリュームレンダンリングを生成できます。レニショーの WiRE ソフトウェアには、次のような分析オプションがあります。

  • スペクトル内のある周波数での強度
    ラマンイメージに相当するイメージを生成します。生成にかかる時間は短時間ですが、対象のラマンバンドから発生する強度とブロードな蛍光のバックグラウンドによる強度を区別できないため、誤った結果を招く場合があります。
  • カーブフィットパラメータ
    ラマンバンドのひとつに対して、セット内のすべてのスペクトルに理論的なカーブをフィットさせます。その後、各スペクトルの理論的なカーブパラメータに基づいてイメージを作成します。イメージはたいていカーブ (バンド) の中心周波数または半値全幅 (FWHM) を使用して生成され、これらはそれぞれサンプル内の応力および結晶化度によって敏感に変化します。
  • 多変量パラメータ
    汎用的な主成分分析 (PCA)、ラマンデータに対して最適化されているレニショーの Empty Modelling™ などの多変量解析ツールを使用してイメージを生成できます。Empty Modelling 法は、ラマンスペクトル間の系統的な変化を解明するもので、サンプル範囲にわたるこれらの変化の分布をイメージとしてハイライトして表示します。この方法は、サンプル内に何が存在するかを事前に把握する必要がなく、分析プロセスを大幅に簡略化します。スペクトルの一部 (1 個の周波数の強度) やカーブフィットされた 1 個のバンドだけではなく、スペクトル全体からの情報を使用する多変量解析は、非常に強力です。これにより、通常より高品質のラマンイメージが得られます。

ラマンイメージング

ラマンイメージは、写真を撮影することに似ており、対象領域全体から同時にスペクトル強度値を収集します。この場合、レーザーをサンプル上の四角形または円形の領域に照射します。光はフィルタリングされ、スペクトルの 1 個の狭い部分だけの強度を検出器に記録します。

収集した 1 個のイメージに含まれる情報は、その周波数での光の強度のみに限定されています。しかし、これらのイメージは短時間で取得できます。特にハイパワーのレーザーを使用している場合は、光が領域にわたって広がるため、サンプルを損傷することなくレーザーパワーのすべてを活用でき、これに対して照射時間を短くできます。

この方法を使用する場合は、通常二次元イメージが生成されます。レニショーの True Raman Imaging はラマンイメージングの一例です。

複数のフィルタやチューナブルフィルタを使用することで、スペクトルの複数ポイントをカバーする強度値を取得できます。

空間分解能

ポイントラマンマッピング

空間分解能は、レーザーのスポットサイズとサンプルの取得ポイント間の間隔の組み合わせによって決まります。

  • レーザーのスポットサイズ
    これは対物レンズの倍率とレーザー波長によって決まります (倍率が高く波長が短いほど、スポットサイズが小さくなります)。
  • サンプルの取得ポイント間の間隔 (サンプリング)
    サンプルステージによって決まります (ステージは、大きな可動範囲を持ちながら、最小スポットサイズより小さい、100nm までのステップサイズが可能なものであることが望まれます)。

ラマンイメージング

空間分解能は、システム内の光学部品の倍率と、検出器の素子のサイズによって決まります。究極的には、これは光が本来持つ波のような性質によって制限され、1 ミクロン弱が限界となります。

パンフレット「ラマン分光とは」のダウンロード

  • カタログ:  ラマン分光とは カタログ: ラマン分光とは

    レニショーでは、1990 年代初頭からラマン分光測定システムを提供しています。弊社でよく尋ねられる質問の一つに、「ラマン分光とは何か」というものがあります。 このパンフレットでは、この質問に回答すると共に、「ラマンイメージはどのように作成されるのか」、「SERSとは何か」といった関連する質問への回答など、役立つ情報を提供します