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ボールバーテストで中古機械の販売促進

金属および複合材加工における最大の懸念事項は、製造品質とその信頼性の維持である。

CNC 工作機械は定期点検や定期メンテナンスを怠ると、時間の経過とともに位置決め精度が低下していき、誤差が発生することが知られている。そのため、企業が中古工作機械の導入を検討する際に、劣化などによる機械精度への不安を持っている場合が多い。その対策として、中古機械を販売している U-MACHINE では、自社規格で作成した静的精度表を発行している。

課題

近年、U-MACHINE は中古工作機械の在庫を増やし事業拡大している。中古機械とは言えただ動けばよいというわけではなく、精度が求められる。そのため同社は、お客様に安心して中古工作機械を導入してもらうために静的精度測定の実施・公表を行っている。しかしながら、自社独自の静的精度表だけでは特に大企業にとっての安心材料としては十分とは言えない。一歩進んだトレーサブルな測定が必要となっている。

精度測定中のエンジニア

解決策

レニショーの QC20-W ボールバーシステムを使用した真円度測定を導入した。ボールバーテストは、ISO 230-4 などの各種国際規格に準拠した確かな試験であり、お客様の安心感へつながる。また同社は、ユーザーフレンドリーなボールバー診断ソフトウェアによるバックラッシュや直角度等の機械エラー要因の診断機能も活用している。この診断機能により、取得したデータを直観的に理解することが可能である。また、ボールバーでは静的精度だけでなく、動的精度測定データも取得できる。このボールバーによる真円度測定を実施することで、メンテナンス箇所の早期発見につながり、エンジニアの負荷が大幅に軽減した。

ボールバー診断ソフトウェア画面

結果

従来の静的精度測定に加えてボールバーによる真円度測定を実施することで、動的精度測定を含んだ客観的な測定結果が得られるようになった。これにより、お客様からの信頼が高まり、売約率が 15% 向上した。機械の状態を直感的でわかりやすいボールバー真円度データから把握でき、より安心して中古機械を販売できる状況となった。また、ここまでの詳細データを公表している同業者はこれまで無く、業界内でのブランド力が高まり大手企業向けの宣伝効果が出て販売促進につながった。

U-MACHINE について

U-MACHINE は、名古屋市に本社を置き、三菱 UFJ リースグループのリユースマーケット事業を日本全国で展開する有力な中古機械商社である。近年では、事業を拡大して海外にも進出している。その中でも工作機械販売部門は事業の大きなウェイトを占めており、積極的に中古機械の在庫を増やして事業拡大している。また同業他社とは一線を画す「コンサルティング機能を持つ総合中古機械商社」として工場移転や閉鎖の際にもワンストップでサポートできる。不要な設備の売却や工場の解体、設備の搬出・輸送・設置、さらに新たな機械を導入する際の相談など、一貫して対応する。

U-Machine 工場

製品ハイライト:ボールバーシステム

ボールバーシステムはわずか 10 分で誰でも機械の精度診断を実施できるシステムである。マグネットで設置するだけの非常にシンプルなセットアップで測定が可能となる。ボールバーテストでは、機械が実行する円弧補間送りの軌跡と指令パスを比較する。機械のプログラム実行が測定作業のため作業者による結果のばらつきは発生しない。

ボールバーが取得した円弧補間時の実際の軌跡を基に機械の幾何学誤差からコントローラ要因の誤差までの要因を数値化する。精度不良への影響が大きい順にエラー要因を表示させるため、誰でも機械修理の優先順位を決めることができる。機械履歴機能の使用により、機械ごとの精度履歴を視覚的に把握できる。この履歴の活用は工作機械の故障や精度不良が発生する前に予知保全を実行するのに効果的である。深刻な問題が発生する前に対応することで、機械停止時間やメンテナンスコストを大幅に削減できる。

QC20-W ボールバーシステム

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  • ケーススタディ:  ボールバーテストで中古機械の販売促進