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植物生物学

植物の生化学を理解することは、私たちが生態系を維持し、持続可能な栄養分を確保するための根幹を成す行為です。

ラマンイメージングを使用して、植物の成長や発達の研究における代謝物、タンパク質、脂質、色素の変化や分布を見ることができます。

ラマン分光による植物の健康状態の判断

セルロース、ヘミセルロース、リグニンといった木質細胞壁の厚さや分布は、植物の強度を判断するための大事な要素です。細胞壁のラマンイメージングは、リグニンとセルロースの特性評価と定量化をその場で実行できる方法へと進化させられる数少ない技術のひとつです。材料の浸軟や湿式化学を必要とせず、その空間分解能は、薄いリグニン層 (サブマイクロメートル) をも解像します。リグニン含有量の増加は、強度の向上に関わっているのが通例であり、細胞壁にはグアイアシルリグニンが多く、細胞壁間の接合部にはシリンジルリグニンが多く存在します。

ペクチンも、ラマンイメージングが可能です。ペクチンは、陸上植物の細胞壁内に存在し、細胞壁の構成を保つ中間ラメラの主要成分です。

また、(偏光ラマン測定を使用して、) セルロース繊維の向きなどを調べることもできます。マイクロフィブリルの角度が細胞の形状や植物の構造に影響を与えることから、この向きは重要です。

トウモロコシの節間二次細胞壁 (赤) とシリンジルリグニン (青) のラマン画像。サンプル提供: Gordon Allison 博士および Alan
Cookson 氏、英国 Aberystwyth 大学。

ラマン分析の主な利点

下記が可能です。

  • ラベル付けせずに、重要な生体分子をその場でイメージング
  • 外部ラベルを必要とせず、その場で木材成分を定量化
  • 木材やパルプの構造的および機械的性質と、リグニンの構造を解像
  • 植物の細胞の形状や構造に影響する木質繊維の向きを判断

サンプル準備

植物切片は、Gierlinger および Schwanninger (Gierlinger and Schwanninger (2006)) の手順に従ってスライド上に調製し、載せることができます。Plant Physiology 140: 1246-1254)。埋込材として PEG を使用し、断面化を可能にしました。

苗木の根など、透明または半透明のサンプルは、直接分析できます。カバースリップと水で水分を保つことができます。

葉/草の表皮は、サンプルを切開し、鉗子/ピンセットを使用して表皮層を剥離することによって分析できます。同じくカバースリップ法で、表皮層の水分を保つことができます。

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