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干渉法について

レーザー干渉法は、距離を高精度で測定するうえで確立された手法です。

基礎

干渉法は、波 (通常は光、無線、音波) の干渉現象を使用する方法です。波自体や波と干渉する物質の特性を測定します。また、光波から偏差量の変化を測定する技術にも干渉法という言葉は用いられます。このような偏差を測定する干渉法は、キャリブレーションや高精度製造における機械ステージのモーションコントロールに広く活用されています。

2 本のビーム (通常 1 本のビームを 2 本に分割したもの) を重ねることで干渉パターンが形成されます。可視光の波長は非常に短いため、2 本のビーム間の光学パス (移動距離) の差の極めて小さな変化でも検出できます (この差により、干渉パターンに顕著な変化が認められるようになります)。このような光学干渉法は、効果的な測定技術として百年以上にわたって活用されてきました。そして、その測定精度はレーザーの考案によって大幅に改善されています。

1880 年代に Albert A. Michelson が最初の干渉計を開発し、光干渉の原理を測定ツールとして利用できることを最初に示しました。以来、この技術 (とその測定精度) は大幅な発展を遂げていますが、Michelson の干渉計の基本原理は今も変わりません。

Michelson の干渉計は 1 個のビームスプリッタ (ハーフミラー) と 2 個のミラーから構成されます。ビームがハーフミラー/ビームスプリッタ (部分的に光を反射します) に当たると、2 本のビームに分かれます (ミラー 1 に向かうビームとミラー 2 に向かうビーム)。分かれたビームはそれぞれミラーに反射した後、ビームスプリッタで再結合されてから検出器に戻ります。これら 2 本のビームのパスの差によって位相差が発生することで、干渉縞パターンが形成されます。このパターンが検出器で分析され、波の特性、物質の特性、いずれかのミラーの偏差が評価されます (評価項目は測定対象に依存)。

マイケルソン干渉計図

干渉法の応用

高精度の干渉パターン (はっきりとした縞) を取得するためには、安定性の高い波長の単一の光源を使用することが重要です。そしてその要件を満たすのが XL-80 レーザーシステムです。

Michelson の原理に基づく干渉計のセットアップにはさまざまなものがありますが、位置決め測定用のセットアップが最もシンプルです。

XL-80 レーザーシステムでは、(Michelson の干渉計における) 2 個のミラーが反射鏡 (入射光を入射した方向と平行に反射するプリズム) にあたります。反射鏡の 1 個はビームスプリッタに取り付けられ参照ビームを形成します。もう一方の反射鏡は、ビームスプリッタに対する距離が変化するため、可変長の測定用ビームを形成します。

レーザービーム (1) が XL-80 レーザーヘッドから照射され、ビームスプリッタで 2 本のビーム (反射ビーム (2) と透過ビーム (3)) に分かれます。これらのビームが 2 個の反射鏡によって反射され、ビームスプリッタで再結合されて検出器に戻ります。反射鏡を使用することで、参照パスと測定パスからのビームがビームスプリッタで再結合される際の平行性が保たれます。再結合されたビームが検出器に到達すると、お互いを強めあう (建設的干渉) か弱めあう (相殺的干渉) ことになります。強めあう干渉では、2 本のビームが同相になり両ビームの山が増強されて干渉縞が明るくなります。一方、弱めあう干渉ではビームが逆相になり 1 本のビームの山が 2 番目の谷によって打ち消されて干渉縞が暗くなります。

レーザーのセットアップ

検出器内の光学信号処理により、これら 2 本のビームの干渉を観察できます。測定ビームがずれた場合には、2 本のビームの相対的な位相に変化が起こります。この強めあう干渉と弱めあう干渉の周期によって、再結合された光の強さに周期的な変化が発生します。明るい干渉縞 → 暗い干渉縞 → 明るい干渉縞の変化は、測定ビーム/反射鏡が 316.5nm、つまりレーザー波長の半分移動するごとに 1 回起こります (この移動により光学パスがレーザー波長分の 633nm 変化します)。そのため、この移動距離は下記の式を使って周期数を算出することで求められます。

式

d は偏差 (ミクロン単位)、λはレーザー波長 (0.633µm)、N は通過した縞の数です。これらの周期内で位相の内挿分割を行うことで、1nm というより高い分解能を確保しています。

レーザーユニットの性能 (精度や安定性) にかかわらず、位置決め測定の精度はレーザービームの波長精度に依存します。レーザービームの動作波長はレーザービームが通過する空気の屈折率に依存し、この屈折率は気温、気圧、相対湿度に応じて変化します。従って、これらの環境条件の変化に合わせて、ビームの波長を変化させる (補正する) 必要があります。

環境補正

信頼できる正確な波長補正が行われていない状態で温度、湿度、気圧の変動が組み合わさると、(テスト条件が安定していたとしても) 20ppm~30ppm の誤差が位置決め測定値に頻繁に発生します。これらの誤差は、幅広い条件において XL-80 の測定精度を確保するための環境補正ユニット (XC-80) を使うことで低減できます。右のグラフに、補正を行っていない干渉法システムの誤差の例と誤差の原因を示します。

 XC-80 による補正の影響

XC-80 は、気温、気圧、湿度を測定し、空気の屈折率 (ひいてはレーザーの波長) を算出します。その後、レーザーの出力が自動調整され、レーザーの波長変化が補正されます。自動システムを使うメリットとしては、ユーザーが介在する必要がないことや補正が頻繁に更新されることがあります。

: レニショーのレーザーシステムを使用した角度測定と真直度測定に環境補正は必要ありません。これらの測定値はごくわずかなビームパスの差から算出され、環境要因に影響されないためです。割り出し角度、平面度、直角度測定にもこれらの測定方法が使用されるため環境補正は必要ありません。

遠隔式干渉法

一部のシステムでは、干渉計とビームスプリッタをレーザーヘッド内に配置しています。レーザーヘッドの熱膨張により測定経路長が変化するため、高精度の測定を行う前には長いウォームアップ時間が必要になります。レーザーヘッドからビームスプリッタを離すことで、レニショーではこの問題を回避しています。

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