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飛行機部品で大成功:ダンロップ エアロスペース ブレーキング システム社

ダンロップ エアロスペース ブレーキング システム(Dunlop Aerospace Braking Systems)社{現メギット/Meggitt plc}は、商用民間航空機及び軍用機用ホイールとブレーキを設計・開発・製造するグローバル企業です。

英国では航空機製造が堅調な成長を続け、ダンロップエアロスペース社はこの需要に応えるため、1998 年から 2000 年にかけてハブ・フランジ加工セルの設備として、主力となるCNC工作機械を3台新規購入。その際に迷うことなくレニショープローブシステムを指定しました。この導入で工程の安定化が促進され、さらに生産(リード)タイムの短縮にも著しい効果が現れました。

劇的な時間短縮

ハブ・フランジ生産セルのチームリーダー、カートレッジ氏は、レニショープローブシステムの導入を評価して「加工セルに一つの部品を投入する度に、加工のサイクルタイムと段取り時間のトータル、両方で時間短縮が起こっています」と述べます。これは、新しいホイール加工の立ち上げ時に運用する"新製品投入(NPI)プロセス"には極めて重要なことで、レニショープローブシステムがあるから「DFM(製造性考慮設計)」方式の生産ができると言ってもいいぐらいです。

Dunlop aerospace で Mazak Integrex に搭載された OMP60

「ランナ」「リピータ」「一品物」

ホィールのオーダーは、年間生産するロット数量に応じて、3 つのグループに分けられます。「ランナ」オーダーは、年間ロット数が10ロット以上のホィール製品、「リピータ」オーダーは、年間ロット数が10ロットに満たない製品と分類されます。同社では一品物の機械加工も受注。最近、1950 年代の戦闘機「キャンベラ」用航空機部品の修理・再生プロジェクトで、すばらしい成功を納めました。このプロジェクトの場合、生産されていた当時のオリジナル図面を元に、今日のCNC 加工プロセスで切削する加工プログラムを、再度新たに作成することが必要でした。

カートレッジ氏はさらに、「新製品投入プロセス(NPI)では、MPA(Manufacturing Process Approval) という分析プロセスが関係してきます。加工作業が、ホィールアセンブリとしての応力及び部品強度に影響を与えるかどうか、このMPAで加工工程を全て綿密に分析します。新たに加工セルに投入される大口の「ランナ」及び「リピート」部品は全品、生産開始前に必ずMPA分析が必要となります」と続けます。

テクノロジーと自動化への投資

同社は1998年から 2000年にかけて、最新鋭の多軸CNC工作機械を3台購入するという、ほぼ2百万ポンドに登る高額投資を決断しました: Mazak Integrex機;C軸360度の軸ストロークとミーリング機能搭載の複合加工機、 Mazak HV800機; 5軸横型マシニングセンタ そして最も直近の投資である森精機 MT4000機; 購入当時、このタイプは英国で初の導入でした。

プローブシステムがもたらす大きな効果

プローブシステムの導入で可能となった技法というのは、ホィール部品の位置及び取り代を特定する能力により、鍛造ホイールの偏差を更新及びモニターできるようになったことです。これは切削時間の短縮をもたらします。プローブが鍛造ホイールの基準表面を必ず正確に検出して金属切削を即、開始するため、空切削の無駄時間をゼロにします。

一発で良品が加工できることの重要性

切削工程中、素材内部の残留応力の放出が起こります。ですから、一回の加工で良品が完成すれば、より安定・均一な加工が実現できることになります。素材は、L77 アルミニュウム合金が最も頻繁に使用されています。加工工程のひとつひとつが高コストであるため、スクラップ量を少量に留めることが必須となります。機上モニタリングと工具オフセットの更新を実行することで、確実に加工プロセスをコントロールし、スクラップを最小限に抑えます。

航空業界はその性質上、あらゆる条件や場面であってもホィールとブレーキが確実に信頼性を維持するために、より高度な精度と品質が常に要求されます。「このセルでは6年以上、プローブシステムを使用してきました。コスト削減と時間短縮がもたらされ、プロセスコントロールと生産の安定では段違いの効果が見られています」とカートレッジ氏は結びます。

Dunlop aerospace - Mazak HMC に搭載された OMP60

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