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マシニングセンターの空間精度誤差を 短時間に測定

空間精度を構成する誤差は要素数が多く、すべてを測定するには長時間を必要としていた。例えば、トラッカタイプの空間精度測定システムが存在するが、機械サイズが大きくなるにつれて測定時間が 2 乗のオーダーで必要になる。

背景

工作機械加工での効率化、スクラップ低減やコスト削減に向けた取組みに伴って、これまで以上に製造プロセスの理解に対するニーズが高まっている。金属切削を始める前に機械性能を把握することが、あらゆる機械加工の基本である。精度の評価においては、レーザー干渉計は世界的に広く用いられている機械のキャリブレーション手段で、究極的に高い測定精度を備える。しかし、機械の軸を構成する移動体は、位置決め以外にも「姿勢」や「真直度」に関連する誤差を持ち、位置決め誤差に加えて他の誤差の測定を行なう場合は、1 つの誤差を測定するたびにセットアップを行う必要があり非常に時間がかかる。

機械構造が複雑化し、製造する部品もより複雑になっているため、位置決め性能の測定だけでは不十分である。軸移動に伴い、軸構造における摩擦その他の影響により「姿勢」や「真直度」に関連する誤差が生じ、結果、工具先端の指示位置と実際の位置との差異につながるからである。これにより、大幅な形状位置の誤差や、輪郭や表面の偏差が発生し、製造部品が公差内に収まらなくなる場合がある。

上記のように、各機械軸の誤差それぞれが原因で、製造部品に偏差が発生するため、加工能力を評価するには、各機械軸の誤差すべてを測定する必要がある。空間における物体の位置は、工作機械内の切削工具とワークの関係と同じように、6 つの自由度で定義される。直接的にかつ同時に、そのすべての誤差を測定できれば、工数を削減できるだけでなく、正確な機械性能も評価できる。

解決策

軸方向問わず 1 回のセットアップで 6 自由度を測定できる全く新しい考えのレニショーの空間測定システムを導入した。工作機械の精度検査証明書を見ると、21 成分の運動誤差が記載されている。しかし、運動誤差は相互に作用しあうため、運動精度から実際の工具先端点の位置偏差をイメージすることは容易では無い。解決策として、空間精度誤差マップを活用すれば、加工空間内での精度分布を可視化できる。空間精度研究所は、工作機械の空間精度をユーザー・メーカーどちらでもない中立の第 3 者の立場で測定し、誤差マップを作成する画期的なサービスを提供し、測定結果を活用した加工精度改善をサポートしている。

精度測定対象のマシニングセンター













精度測定対象のマシニングセンター

XM-60 マルチアクシスキャリブレータ













XM-60 マルチアクシスキャリブレータ

工作機械の加工能力を評価するには、機械軸の誤差すべてを測定する必要がある。空間における物体の位置は、工作機械内の切削工具とワークの関係と同じように、6つの自由度で定義される。これを、直接的にかつ同時に、すべての誤差を測定するため空間精度研究所ではXM-60を導入した。結果的に、工数を削減して、正確な機械性能を評価することに成功した。

株式会社空間精度研究所 (日本)

結果

空間精度測定時間を大幅に削減できた。特に大型機械では効果が高いことがわかった。

空間精度を構成する誤差は要素数が多く、すべてを測定するには長時間を必要としていた。えば、トラッカタイプの空間精度測定システムが存在するが、機械サイズが大きくなるにつれて測定時間が 2 乗のオーダーで必要になる。

「過去の測定データが一覧から選択できて、複数の結果を比較できる機能は分析し易いのでうれしい」と測定サービスを実施した印象を語っている。

空間精度研究所

生産ラインの精度測定分析サービス・加工精度改善サービス、特に、工作機械の精度測定・補正パラメータ作成サービスに特化している。DMG 森精機株式会社・京都大学と連携して研究を重ねており、未来の工作機械を支える技術者集団である。独自アルゴリズムを用いて算出した補正パラメータを用いて、工作機械の空間精度を向上するオプションサービスを提供している。空間精度の改善によって、加工精度が向上し、さらには、後戻り工程を削減できる。

この会社の目指す空間精度は、従来の幾何精度とは違う。従来、工作機械の精度評価には、直線位置決め精度・真直度精度といった、いわゆる運動精度が用いられている。運動精度測定はISO230-1 や JIS B 6190-1 規格があり、多くの工作機械メーカーが出荷前の精度検査に利用している。しかし、運動誤差は相互に作用しあうため、運動精度から実際の工具先端点の位置偏差をイメージすることは容易では無い。そこで、工具先端点の位置ごとの 3 次元的な位置偏差を直接評価する空間精度という考え方に至った。

XM-60マルチアクシスキャリブレータ

空間における物体の位置は、工作機械内の切削工具とワークの関係と同じように、6 つの自由度で定義される。各機械軸の誤差それぞれが原因で、製造部品に偏差が発生するため、加工能力を評価するには、各機械軸の誤差すべてを測定する必要がある。この際に、直接的にかつ同時に、そのすべての誤差を同時に測定するシステムである。

空間誤差マップイメージ











空間誤差マップイメージ

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