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超高精度モーションコントロールの鍵となるエンコーダ

モーションコントロールの技と科学を追求し続ける Aerotech 社。同社の医療用ステージを、レニショー製多目的高精度レーザー干渉計エンコーダが支えています。

アメリカ合衆国ペンシルベニア州ピッツバーグに本拠を構える Aerotech 社は、高精度位置決めテーブル、ステージ、システムでその名が知られています。1970 年の創立以来、産業や行政、科学、研究機関に携わる世界各地の顧客に向けて、精力的に精密モーションコントロールソリューションを開発し続けています。Aerotech 社の顧客は、「より良く、より強く、より速く」を目指しており、言い換えると、常に精度向上を追い求めています。そういった顧客に対して Aerotech 社は、測定の不確かさの原因となる変動要素を考慮した、例えばエンコーダなどの細部までこだわった、モーションコントロール製品の開発を通して応えています。レニショーとの長い関係性を築いてきた結果、シンプルなダウンサイジングによって高精度測定を可能にした、コンパクトさと高精度を兼ね備えたエンコーダを採用するに至りました。RLE レーザー干渉計エンコーダを使うことで、測定ポイントまでの距離を短くできるため、精密機器の測定の不確かさに大きく影響する要素を最低限まで抑えることができると判断したためです。

ケーススタディ:  ケーススタディ:  XY ステージ上の RLE システム

Aerotech 社画像提供


背景

Aerotech 社は現在唯一の、グローバルにビジネスを展開し、エンジニアリングを主力とした株式非公開メカトロニクス企業です。同社のステージは、産業用ロボット、光ファイバーや光フォトニクス装置、ビジョンシステム、工作機械、組立て、半導体装置、医療用部品のレーザー加工、微細加工や電子製造など多岐にわたる高性能アプリケーションに用いられています。「モーションサイエンスにこだわり続ける」という同社のかかげるモットーは、顧客に定期的に試されています。「我々のクライアントは、高精度を求めているため、非常に厳しいプロセス仕様を我々に要求してきます。もちろん、産業専用の要件に対応しますが、そのクライアント専用の要件に対応することのほうが非常に多いです。今日の市場で製品を供給する際には、そういった個々の需要に応えられるかどうかが極めて重要です」(Aerotech 社 Business Development Manager、William Land 氏)

同じものはない、常に固有なプロジェクト内容

高い精度と高い処理量を必要とするモーションシステムのカスタムデザインが、Aerotech 社の事業の大部分を占めます。例えば、Aerotech 社のステージは、高額な生産プロセスのマスターパーツとして最終的に使われるパーツの測定に用いられています。そのため、測定の不確かさは最低限まで抑えられていなければなりません。

精密測定には、環境変化、熱膨張、光学部品の品質やフィードバックループに含まれるノイズなど、様々な要素が影響します。しかし、大きな影響を与える主要な要素の 1 つであるアッベ誤差は、適切なエンコーダを用いることで設計回避することができます。Land 氏の説明にあるように、アッベ誤差は、測定フィードバック装置(今回の場合は、エンコーダ)と測定ポイントとの距離に依存します。

そして、測定の不確かさは関心ポイントからセンサーが離れるにしたがって大きくなります。ステージメーカーによっては、大きさや設計上の制約の理由からエンコーダをステージに埋め込んでいますが、エンコーダをステージに埋め込むと、ステージ上の測定ポイントとその工程での関心ポイントとの距離が広がります。

.また、埋め込んだエンコーダでは、ステージ上に配置した他の装置の先端や、傾き、ロール、ピッチ、ヨーを検出できず、測定の不確かさにつながります。コンパクトなエンコーダなら、測定ポイントの近くに配置できるものの、測定精度への疑問は残ります。

RLE のコンパクトなレーザーヘッド

「この問題をすべて解決するために、我々は RLE20 レーザー干渉計エンコーダを採用しています。性能は非常に安定していますし、このエンコーダを使うことでアッベ誤差を最低限に抑えられ、ツールポイントや関心ポイントに極力近い場所に測定ポイントをとることができます。レニショーエンコーダの測定軸は公称としては、測定ポイントでカメラ軸と交差します。レーザーによる測定ポイントとパーツ上の測定ポイント間の誤差は実質ありません。また、RLE のレーザーヘッドはコンパクトなため、安定性を確保したまま様々な設計に組み込むことができます。」(Land 氏)

レニショーのエンコーダを使用することで、顧客が求める仕様を常に上回り続けています。顧客には、クラスで最高の経験を提供できるよう努めています。我々が成功を収められている理由のひとつは、レニショーのような企業が提供してくれる技術革新にあります。

Aerotech 社 (米国)

小さく、シンプル、正確

シンプルなシステム構成と精度を備えるレニショーエンコーダには、アセンブリに直接組み込むことができる、など実装上の利点もあります。Aerotech 社が採用している RLE20-DX-DG レーザー干渉計エンコーダは、最大分解能 10nm のダブルパスホモダイン干渉計です。レーザー干渉技術では、波長が、測定装置を表す基本単位です。そのため、波長の安定性が、測定の繰返し精度に直結します。レニショーが使用しているレーザーチューブは、英国国立物理学研究所 (NPL) で認証されたチューブを基準としており、波長安定性規格を満たしています。

Land 氏によると、Aerotech 社の技術者たちは、このエンコーダを現場に持っていくこともあるそうです。「セットアップも使い方も簡単なため、機械の再キャリブレーションにも使っています。リードヘッドとシステム全体が小さいので、技術の人間たちはケースに入れて工場に持ち込んで、キャリブレーションを行っています」(Land 氏)

RLE の取付けとアライメント調整の様子

優れた構成品がより良い製品を生み出す

様々な市場の顧客が、干渉計やオートコリメーター、ビジョンシステム、アンテナなどの装置に含まれるセンサーの位置決めやテストに正確なモーションコントロールを求めています。高い精度が要求されるこのような用途によって、精密測定の限界が常に押し広げられています。そして、Aerotech 社によってこの点は支えられています。

また、Aerotech 社は、プロセスについての知識を顧客に提供でき、同社の能力を補い、さらに上記のような厳しい精度が求められるアプリケーションへの高度な自動化ソリューションを提供できるパートナーを積極的に探しています。「我々は、顧客が求める要件をレニショー製エンコーダで常に超えています。優れたモーションコントロールシステムを製造するという我々の信念は、我々の技術で用いる優れたシステム構成品を設計し、製造し、購入することから始まっています。業界でベストの経験を顧客に提供できるよう我々は取り組んでいます。また、継続して我々が成長できている要因には、レニショーのような企業が提供してくれる技術的な進歩があると考えています」(Land 氏)


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