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ボールバーテストについて

ボールバーテストは、そのシンプルさ、導入の容易さ、そして定量的データが豊富なことから広く採用されています。

ボールバーテストのメカニズム

理論上は、CNC 機械が円形パスを描く際、その機械の位置決め性能が完璧であれば、実際に描かれる円がプログラム上の円とぴったりと一致します。しかし現実には、テストで描く円はプログラム上の円からずれてしまい、これにはさまざまな要因が関与しています。例えば機械の静的精度、制御系の複雑さ、機械の経時的な摩耗と損耗が上げられます。

実際のパスとプログラム上のパスを比較することで機械の精度を求めることができます。ボールバーテストと QC20 ボールバーの根底にはこのような考えがあります。

QC20 ボールバーテストの 3 段階

セットアップ

QC20 ボールバーは Bluetooth 搭載のため、簡単に接続できます。Ballbar 20 ソフトウェア に表示される指示に従うことで、簡単にテストをセットアップできます。また、パートプログラムの生成機能があるため、使用している工作機械に応じたプログラムを簡単にセットできます。

便利なファイル管理機能で、既存のテストテンプレートを簡単に検索して活用できます。

機械テーブルに、セッティングボール (QC20 ボールバー付属品) を使ってセンターピボットを設置します。主軸を参照ポイントに移動し、テストの原点座標を設定します。

主軸をテスト開始位置に移動し、QC20 を 2 個の磁気ジョイント間に取り付けます。G02 と G03 のシンプルなコマンドプログラムのみでテストを開始できます。

データ取得

工作機械で時計周りと反時計周りに円を描くテストです。最新機種以外の古い機種でも実施できます。実際は、機械の加減速域としてテスト円の前後にアークを追加します。

試験半径の調整にはエクステンションバーを使用します。試験半径ごとに検出感度が異なります (大きな試験半径は機械の幾何誤差の検出に適し、小径はサーボ制御不良やズレの検出に適します)。

テストしながら誤差や問題を取得します。テストは任意で停止することができます (低速で大径テストを行っている際に重要です)。

QC20 ボールバーの登場以前は、標準の XY 平面に直行する平面でテストを行う場合には、特殊なテストマウントでセンターマウントを設置しなおす必要がありました。現在では、センターピボットを移動する必要なく 3 種類の直交平面でテストを実施できるようになっています。

その理由は、うち 2 種類の平面でパーシャルアーク (220°) のテストを実施する、QC20 ボールバーの機能にあります。この機能により、テストはそのアークに限定されますが、そのテストの全体的な真円度値を取得できます。

3 平面のテストがすべて同じ原点を中心に実施されるため、Ballbar 20 の空間診断レポートを使用して、以前のシステムよりも短時間で多くの情報が得られます。

データ解析と診断

国際規格 (ISO、ASME など) での解析に対応しています。また、レニショー独自形式での診断 (空間解析含む) もご用意しております。

真円度偏差などの機械の位置決め性能の指標それぞれに値がつけられます。

レポートはカスタマイズ可能で、1 回のテストであらゆる機械誤差を詳しく診断できます。

Ballbar 20 空間誤差テスト

QC20 ボールバーは工作機械の診断に強く推奨される機器です。

詳細について

Ballbar 20 のダウンロード

幅広い種類のテストとレポートに対応した高機能ソフトウェア

Ballbar 20 ソフトウェア

ISO 10791-6 に QC20 ボールバーを使用できますか。

はい、QC20 ボールバーを使えば、ISO 10791-6 のテストのほとんどに対応できます。

工作機械は、複数軸の移動中に、工具の先端とワークの間隔を一定に維持しようとします。ボールバーは、多軸の工具パスに従いながら工具先端とワークの間隔の偏差を測定することで、輪郭作成性能を測定します。

ISO 10791-6 では最大から最小の偏差をレポートする必要がありますが、この点については、Ballbar Trace ソフトウェアでテータを取得することで対応できます。

補足資料

 

セールスチームに問合せ

詳細については、最寄りのレニショーオフィスまでお問い合わせください。